へっぽこMD-PhD英国留学日記

2017年から英国に留学しています。渡英までや英国での生活で苦労したことを備忘録的に書き残すとともに、英国留学に興味のある方の参考になれば幸いです。

細かいトラブルが続く

半年以上前の画像診断の研究の解析が先方の申請不具合でやり直しになるという、時間的にかなりタイトになってしまった今月です。

heppokomdphd.hatenadiary.jp

 ベルファストから戻ってからも工学部の実験を頑張っていますが、かなり実験終了が困難になってきたところに追い打ちをかけられました。

heppokomdphd.hatenadiary.jp

 朝工学部に実験に行こうと受付を通ったら警報がなって館内総員避難となりました。

工学部ですのでおそらくボヤか試薬が原因でしょう。学生さんも含め、雨天の中入り口で待たされました。

f:id:heppokomdphd:20180221062551j:plain

その日の実験は半日で終わるので雨の中立ちっぱなしで風邪を引いてもしょうがないと近所のカフェで画像診断のデータ解析を進め、中華料理屋さんで昼食(旧正月の時節なので休みかと思っていたら営業していました)を取ったあとで戻った所、何もなかったかのように館内閉鎖は解除されていました。
f:id:heppokomdphd:20180221062603j:plain

その他にも振込の入金が間違っていたため返金要請をしても返金されていなかったり、細かいトラブルが続きます。どうしても業務、退去準備、帰国準備が重なるので、帰国してからうっかりがないように気をつけながらやっていかないといけません。終わりかけの研究も共著者からの連絡なしOrz。早くしてほしいのですが・・。

heppokomdphd.hatenadiary.jp

 

今更やり直しとは・・

2月に入ってちょっと困った連絡が入りました。内容は渡英後初期の5月から6月に行っていた研究で、画像から治療方針を選択したり、重症度グレードを記載するものでした。これは共著者としての参加でおそらく匿名化されたデータから検者間誤差を計測して診断基準の記述の正当性を評価することが目的かと思われます。たしか500症例を超えていて、渡英後実験の立ち上がりが遅く、時間に余裕があったので僕が担当することになったものだったと記憶しています。6月下旬に最終データを提出してはや8ヶ月弱、久しぶりに主研究者の先生(外部施設)から連絡が入ったと思いきや、申請段階で問題が有り、振り出しに戻ったとヽ(`Д´)ノ。

さらに我々にもう一度同じようなことをやれと。しかも2月末までに。ちょっと頭を抱えましたOrz。

断ってもいいのですが、こちらの指導医からもお願いされこの忙しい時期にやることになりました。こちらは手続きに時間がかかりすぎ、さらに行ったり来たりが多い気がします。1年限定の留学だからこそ無駄にできる時間はないのですが、先方はそんなことは気にしないのでしょう。自分が将来あるかどうかわかりませんが、フェローを預かるときにはこのことを忘れないようにしたいと思います。

日本のどこかで読んだ’研究さしすせそ’。'そ'は速報性(さっさと書いて出す)だったような。遅くてしかもやり直しじゃ困ります。

 f:id:heppokomdphd:20180216021126j:imagef:id:heppokomdphd:20180216021158j:image

 先日散歩がてら寄った博物館で。エッフェル塔の脚は人間の大腿骨の内部構造を参考にしたということを知りました。そういうふうに他分野からヒントを得られるアタマが欲しい・・。

実験が終わらなそう

ベルファストから戻り、工学部の実験が再開しました。

heppokomdphd.hatenadiary.jp

 予備実験が終わり、計測機械からのデータ抽出も慣れたため、基本的に一人で作業を行って良いと許可がおりました。目標検体数は6例、実験内容としては生体工学といって関節などの力学試験や強度試験が主な内容となります。

現在下準備してある試料が4例分。昨年やった感じだと午後半コマで2例から3例分の下準備ができました。まず準備してある4例分を計測機械に合わせてセッティングしてやってしまおう!と意気込んでいましたが・・・、問題は試験機の空き具合。とうぜん僕以外にも本職の工学部の学生、フェロー、教員が試験機を使用します。指導をしてくれていた工学部のリサーチフェローはすごく親切でありがたいのですが、ある程度節度を持った枠取りしか許してくれません。これは当たり前のことなのでしょうがありません。自分でできるようになったので早朝でも夜でもと日本式?の考えで望みたいところですが、日勤帯以外の実験器具の仕様は原則禁止で申請で検討とはいいますが、上長はいい顔をしません。

heppokomdphd.hatenadiary.jp

 とりあえず本番第一症例は来週火曜日になってしまいました。下準備を金曜日にして火曜日を待ちます。この感じだと帰国までに終わらないかも。そうなったらこのテーマはどうなるのでしょうか?僕のビザはAcademic visitorのため、英国内での延長不可です。

heppokomdphd.hatenadiary.jp

 もちろん誰かが引き継いでくれて共著者としてやってくれればいいのですが、僕の大学から後輩が留学してくるわけでもなく、難しいところです。困りましたが、粛々とやれるところまでやって医学部工学部両方の指導医に相談するしかありません。

なかなかサクサクいかないのですが、慣れてしまったかも。

 f:id:heppokomdphd:20180216015250j:imagef:id:heppokomdphd:20180216015306j:image

写真は帰国前に市内いちばんのフィッシュアンドチップスと言われているお店で。外観はそれなりですが、テイクアウト専門店のような感じでした。フィッシュはほくほくで美味しかったのですがチップスが・・( ;∀;)。

英国で中古車を売却する

2月も中旬に入り、帰国の準備を少しずつ始めています。手放すもので最大のものはやはり自動車でしょう。地下鉄が発達しているロンドンや路面電車があるエディンバラと違い、定時性が低いバスが中心の都市のため、4月にロンドンの日系中古車ディーラーから日本車の中古車を購入しました。渡英直後はストレスも多く、少しでも日本語でやりとりできるのはありがたかったのですが・・。
heppokomdphd.hatenadiary.jp

heppokomdphd.hatenadiary.jp

 今回帰国が近づくにあたって同じ会社に売却の見積依頼を出した所、見事に1週間応答がありませんでした。催促した所翌日に担当の方から連絡がありましたが、ロンドンから遠方に在住しているからか見積もりなしで帰国直前に引き渡しし、その後言い値で買い取りという条件を提示されました。英国の商習慣に染まっていないのでこれが通常かどうかは分かりませんが、すこし(かなり)気になる対応のため、自分でも車両売却方法を調べてみることに。検索してみると何個も車両売却用のサイトがありました。

www.tootle.co.uk

 

www.autotrader.co.uk

ナンバープレートの番号を登録すると車両の情報が自動的に入力され、あとは走行距離と諸条件を追加するだけで簡単に中古車ディーラーへの売却リストに載せることができました。日本車の中古車で走行距離80,000キロ。正直購入時の値段も高く、日本語対応代かと解釈していました。そのため、ほぼ乗り捨て感覚で考えていて売却時に値段がつくとは思っていなかったのですが、登録してみると推奨売却額が4桁ポンド以上でした。これはびっくり。この値段なら整備と利益を上乗せして僕が購入した時点の価格も納得できる範囲です。中古車ディーラーからオファーがあるとメールがくるシステムでしたが、登録日に3件オファーがあり、所定の手続きをすれば帰国直前まで乗った上で自宅まで取りに来てくれるというありがたい条件でした。所定の手続きが可能であればこちらで売却することも検討したいと思います。なお上記の二つのサイトを参照しましたが、Tootleは登録無料で売却成立時に手数料を支払うシステムでしたので、Tootleを利用することにしました。もう車上荒らしなどのトラブルに巻き込まれませんように。

heppokomdphd.hatenadiary.jp

f:id:heppokomdphd:20180213031439j:plain

 ベルファストシティ空港では三菱の新型車エクリプスクロスが展示されていて、テレビでは日産のコマーシャルも流れていました。高走行距離の日本車にいい売却価格がつくことなど、日本車が認められていることは嬉しい気分になります。

終盤戦の詰め込み

先週末ベルファストから戻り、 今日からまた勤務でした。

heppokomdphd.hatenadiary.jp

 工学部の機材の不調が改善したため、今日は朝から工学部で実験。生体試料を使用した実験とはいえ、精緻なシミュレーターを使った実験のため、ずっと工学部のリサーチフェローについてもらって実験をしていました。今日ようやく一人で機材を動かす許可が出て、明日から模擬手術を加えた試料の計測を行うことができることになりました。ここまで長かった・・。しかし最低でも6例は計測を行わないといけません。残り期間は1ヶ月少し。黄信号ではありますが、幸い明日の計測機材の枠も取れたのでやれるところまでやろうと思います。論文が思いの外進みが悪いので、デスクで悶々としているよりも帰国したらできないことを今のうちに・・。

英語、慣れない工学部の機械、立ちっぱなしと揃うと夕方にはクタクタ。

f:id:heppokomdphd:20180213024834j:plain

行ってみなければなかなか分からないこと

 昨日でデータ収集が終わったため、今日は夕方の飛行機の時間まで自由行動となりました。

heppokomdphd.hatenadiary.jp

半日ちょいの自由行動時間のため、遠出はせずにベルファストの鉄板観光地を調べて市庁舎とタイタニック博物館に行くことにしました。

市庁舎は130年前に建設されたヴィクトリア調の建築物で平日も見学が可能でした。緑色が翡翠のようできれい。

f:id:heppokomdphd:20180210021239j:imagef:id:heppokomdphd:20180210021310j:image 

そしてお恥ずかしながらタイタニック号がベルファストで建造されたことは初めて知りました。映画では観たことはありますが、20年近く前(?)のため記憶もおぼろげでしたが、博物館の周辺を周遊することで、ベルファストが現在も造船業など製造業で潤っていることを知りました。

f:id:heppokomdphd:20180210021329j:imagef:id:heppokomdphd:20180210021344j:image

また、子供のころアイルランドは紛争地域であると記憶していましたが、北アイルランドアイルランド共和国の関係、現在もくすぶっている英国からの独立、アイルランド共和国への編入希望があることなど改めて知りました。イングランド地方都市と比較して新しい建築物が多かったのはおそらく紛争で破壊されたからかもしれません。高校の世界史で習ったことも多々ありましたが、すっかり忘れていました。正直日本から見える英国≒イングランドに近く、今回初めてベルファストに行くことで英国≒イングランドでは無いことを実感しました。年末に行ったスペインもそうですが、連合国に近い性格の国の地域や州の関係というのは実際行ってみないとわからないことも多々あります。

これは日本ではあまり考えることがないことだったので、海外の方と接する際に留意するべきことなのでしょう。しかし滞在中はホテルのスタッフさんも親切で(お土産までくれた)、先方の病院でも良くしてもらいました。留学からのレンタル移籍(?)という不思議な経験でしたが良かったと思います。

と、空港で一息ついているのもつかの間。渡英直後に行っていた臨床研究が再開されるのでデータを再度集計するように指示が。共同研究の一部らしいのですが、申請で問題が出たと夏に連絡入って以来半年ぶりの再開です。帰国まであと1ヶ月強で仕事が増えました(汗)。

さらに工学部の故障していた機械が直ったという連絡も。こちらも月曜日から実験再開です。どうにか全て終わらせて3月を迎えたいところです。

heppokomdphd.hatenadiary.jp

こちらでは花粉症がないので3月も調子を落とさないで仕事ができるといいのですが・・。

空港は国内線メインのCity airportから。名サッカー選手のジョージ・ベストベルファスト出身らしく、その名を冠されていました。

f:id:heppokomdphd:20180210021416j:image

ベルファストデータ収集無事終了

初日で躓いたベルファストの病院でのデータ収集ですが、無事木曜日夕方終了しました。

heppokomdphd.hatenadiary.jp

heppokomdphd.hatenadiary.jp

heppokomdphd.hatenadiary.jp

 午後には教授にデータチェックをしてもらい、問題なしとの判断で終了しました。残念ながら臨床データを知らされずに画像評価を行っただけなので、是非臨床予後との関係を知りたいものです。逐一経過を教えてもらえるように頼んだので結果が楽しみです。しかしこちらに来る前の疑問点として、原則英国の医療は公的であり、イングランド内にいる際にはNHSのデータベースに全て入っていたので、なぜベルファストまで来なければならないのかという点でした。

heppokomdphd.hatenadiary.jp

つまりデータベースにアクセスできない理由を知りたかったのですが、こちらに来て納得。

f:id:heppokomdphd:20180209213232j:image

イングランドの医療はNHSの管轄になりますが、北アイルランドはまた別の機関が管轄しているようです。ベルファストはBelfast Health and Social Care Trustが管轄機関らしく、データベースが別物でした。

またこちらで飲食をすると硬貨は同じなのですが紙幣発行銀行が違うことにも気づきました。イングランドの紙幣はBank of England発行ですが、北アイルランドの紙幣はBank of Irekand、Ulster Bank、そしてDanske Bankがありました。

 f:id:heppokomdphd:20180209213257j:image

英国ポンドであることは変わりないのですが、日本国内で日本円への両替はBank of England発行の英国ポンドしか行えないようです。

日本からはなかなか来る機会のない北アイルランド。いい経験となりました。1日自由時間となりましたので復路の飛行機まで少し観光したいと思います。