へっぽこMD-PhD英国留学日記

2017年から英国に留学しています。渡英までや英国での生活で苦労したことを備忘録的に書き残すとともに、英国留学に興味のある方の参考になれば幸いです。

論文を通すのは本当に大変

今朝昨年度所属した病院で取り組んでいた研究論文のアクセプトの連絡が入りました。文面は下記の通りのあっさりしたものです。いつもアクセプトのたびに思いますが、必死に必死に書き上げた論文なのでもう少しお祝いしてほしいものです。

 

07-Oct-2017

Dear Dr. ◯◯:

It is a pleasure to accept your manuscript entitled "題名" in its current form for publication in Journal of ◯◯.  The comments of the reviewer(s) who reviewed your manuscript are included at the foot of this letter.

Thank you for your fine contribution.  On behalf of the Editors of Journal of ◯◯, we look forward to your continued contributions to the Journal.

Sincerely,

Editor in chiefの連絡先

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この研究論文は1年以上前には書き上がったものですが、アクセプトまでに3英文誌にリジェクトされ4誌目でMajor revisionとなり、アクセプトまでどうにかこぎつけたのでした。インパクトファクターはあまり気にしなくてもいいと言われますが、やっぱり気になりますし、同業者の中で話題に出やすい雑誌に通したいというのは研究業務を行っているものの性かと思います。

また今回は2誌目でリジェクトされた際にインパクトファクターなし姉妹誌へのスライド投稿を勧められましたが、意地を張って自分で他誌を選択し再度リジェクトされるという憂き目にあいました。テーマも画像と臨床所見に関するものでコンセンサスの得られているものではありませんので、お蔵入りの可能性もありましたが、インパクトファクターを下げてでもどうにかと粘ってよかったと思います。

しかしアクセプトまでは本当にヤキモキさせる期間でした。

2017年元旦に3誌にリジェクトOrz(何も元旦にそんなの送らんでも・・。)

留学の準備の佳境の2017年3月に投稿(このころは忙しかったのでよく覚えていません)

2017年5月下旬にMajor revisionの連絡。約2ヶ月半の判定で、修正可能範囲のため急いで修正

2017年6月上旬に修正原稿投稿

3ヶ月全く音沙汰なし。

オンライン投稿のサイトでも"Awaiting reviewer selection"でずっと変化なし(;・∀・)

通常修正原稿は初回査読者に回ります。それがずっと上記のステータスで止まっているということは初回査読者が諸般の事情で再査読を断った可能性があります。そうなると実質的に降り出しに戻る可能性があり気が気でありませんでした。

 

そのため下記のメールを編集部に送りました。

〜Dear 編集委員
Thank you for considering my submission titled [題名] for publication in your journal. I received the first decision (Major Revision) on ◯◯ May 2017. I had resubmitted the revised manuscript on ◯◯ June 2017. However, the status has been showing “Awaiting reviewer selection” since then. I was wondering by when I would be able to see the next status change. Are you expecting the completed reviews this month?
Sincerely,

自分の署名〜

これに対する反応は・・・なんと無視!!

無視です。迷惑メール含めてみても何もなし。さらにはステータスも変わりなし。

そのため2週間後に再度同じメールを送りましたがこれにも応答なし。

(編集部の方々生きてますかーーー?)

この雑誌は某国際学会の公式英文誌のためそこまでずさんだとは思いませんがこうなると不信感マックス。論文を引き下げて他誌に投稿するべきか悶々とする日々でした。

 

なおその雑誌からメールがきました。慌てて開いてみると・・

〜Dear Dr. ◯◯:

Manuscript ID ◯◯ entitled "題名" has been submitted to Journal of ◯◯.

I invite you to review this manuscript.  The abstract appears at the end of this letter.  Please let me know as soon as possible if you will be able to accept my invitation to review.  If you are unable to review at this time, I would appreciate you recommending another expert reviewer.  You may e-mail me with your reply or click the appropriate link at the bottom of the page to automatically register your reply with our online manuscript submission and review system.〜

査読の依頼でした。この肩透かし感。

もちろんやらせて頂きました。この無償のボランティア。僕もやっていただいてますし。自分が長い間待ってヤキモキしてますから締め切り前に出しました。

査読やっている人の投稿した論文に対する査読は早くするとかサービスあればいいのに。

 

今月に入り引き下げメールを送るか迷いながらページを覗いてみるとステータスは"Awaiting decision"となっていました。

つまり再査読は行われていたが、ステータス変更がされていなかっただけと推測されます。ただMajor revison後のリジェクトも有りえますし、さらなるMajor revisionも経験があります。ドキドキ毎日を待っていたら本日ようやくアクセプトの運びとなりました。

いわゆるBig Journalではありませんが、一息できるのはありがたいです。明日からまた頑張ります。

現在投稿中の論文がまだ5篇あります。当然今やっている研究の論文も書かなければなりません。

ドキドキ悶々とする毎日は続きます。

なお投稿中の論文も痛い目にしっかりあっているので次回以降書きたいと思います。

 

毎回毎回くるリジェクトメールも内定不採用通知と同じように最後にお祈りされますが、お祈りも論文を書き始めた初期はショックを受けていますが、最近は”ああ祈られたさあ次々”といった感じです。でも実のある指摘を頂くこともあるのでリジェクトを恐れるよりも出して叩き台にして改良していくつもりでやっています。

もちろん仕上がりが甘すぎて査読に回る前にリジェクトされるEditors kickは論外ですが。

なお、論文投稿に関するお悩みごとに関しては下記のページが読み物としても面白いです。僕はここの英文校正を利用しているわけではありませんが、皆さん同じように悩んでいるんですね。

Dr.EddyのQ&Aコーナー | Page 1

雲が多い英国の空は夕陽が日本と違った感じに見えることも。なんだか雲も少し低い位置に見えるような??

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